子育て四訓


 子育て四訓

 1.乳児はしっかり       肌を離すな
 2.幼児は肌を離せ       手を離すな
 3.少年は手を離せ       目を離すな
 4.青年は目を離せ       心を離すな

     乳児はしっかり肌を離すな  胎児期には、文字通り母子は臍の緒でつながり、羊水の中で守られている。出生と同時に赤ちゃんは外界にさらされ不安になる。その心の安定を保つためにも、しっかりと肌と肌を触れ合わせることが大切だ。  サルの子育てで言えば「抱いてちょうだい」の時期である。  人間は生まれて一年間はほとんど受身の状態である。二足歩行ができるまでは、母親の胸は“子宮”の延長であり、しっかり抱かれることによって、赤ちゃんは「守られている」「かわいがられている」と無意識のうちに感じ、信頼し安心するのである。それが、愛情や信頼、情緒安定、他人を思いやる心など、人間形成の基盤になる。  乳児期の親子の接触は社会的にも支援・応援していく必要がある。

    幼児は肌を離せ 手を離すな  幼児は乳離れをするが、一気に離すのではなく、常に親がそばにいることで、「心配しなくてもいいよ」という安心感を与えることが大切だ。サルの子育てで言えば「下ろしてちょうだい」の時期だ。ちょっと周囲のものに注意や関心があり、自立させるための第一段階だ。自立に目覚める幼児期は、完全な保護から社会に向いて一歩を踏み出す時期といえる。  最近では、『子供の自立』と称して、実際には、親が子育てを放棄する口実に使われていることが多い。子供を施設に預けっぱなしにするなど、自分で産んだ子供との絆をきりたがる傾向さえ見受けられる。『子供への愛着が湧かないうちに預けた方が良い』と零歳児保育を語っていた母親がいた。  昨今、子育ては苦痛なもの、苦しみを伴うものという感覚を植えつけ過ぎ、安易に生きることが奨励されすぎてはいないだろうか。本当の生きる喜びとは、親子の絆を大切にし、温かい家庭を作り、その延長として健全な社会を形成していく、そうした家庭の社会的意義について考えたいものである。

    少年は手を離せ 目を離すな  少年は、友達との付き合いによって社会性が育つ時期なので、ここではしっかりと手を離し、活動範囲を広げてやらないといけない。ただし、いろんな危険があるので、目を離してはいけない。サルの子育てでいえば、『一人にしてちょうだい』という時期であり、親猿はこの時期、遠くから子猿を見守り、子供が何かで声をあげるとすっ飛んでいく。人間も学ぶべきところが多いのではないだろうか。  この時期、子供が親に反抗したり、非行や問題行動に走ったり、いろんなことで苦しい思いをするかもしれない。しかし、それは成長の過程である。親として逃げず、共に成長することを心がけるべきだ。子供の荒れの背景には、親や友人に『こちらを向いてほしい。』というメッセージであることが多いのである。

    青年は目を離せ 心を離すな  青年期にまでなると、完全に自立していくために、自分なりの生きがい、進路を歩んでいくときであるが、気持ちの上では、心を離してはいけないということである。いずれにしても、子育ての最終的な責任は親にあるという基本を忘れてはいけない。

 

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