冬の睡眠


季節ごとの睡眠時間を調べた調査によると、冬の睡眠時間が一番長いという結果が出ています。

人間の脳と身体は、体温が上がるにしたがって覚醒します。しかし、冬は気温が低いため、朝になってもなかなか体温が上がりません。体温が上昇しなければ、覚醒状態になるまでに時間がかかります。その結果、睡眠時間が長くなるのですが、これは自然なことです。

しかし、次の2つの症状がある場合は要注意です。冬季うつ病になっている可能性があるからです。

ほかの季節と比べて何時間も睡眠が長くなる朝目が覚めても、冬だけベッドから出られない

冬季うつ病の特徴は「過眠」と「過食」

冬季うつ病は、冬の期間だけ抑うつ症状が現れるというものです。ほとんどの場合、春が来るころに自然と治ります。

しかし、一般的なうつ病と重なる部分も多いため、その違いが分かりにくいのも事実です。

そこで、判断の手がかりになるのが「睡眠」と「食事」の傾向です。

まず睡眠についてですが、基本的にうつ病にかかると「夜なかなか寝つけない」「朝早く目が覚めてしまう」などといった不眠の症状が出てきます。しかし冬季うつ病の場合、不眠ではなく「過眠」の傾向が現れます。睡眠時間が顕著に長くなったり、朝の目覚めが極端に悪くなったりします。

次に食事についてです。一般的なうつ病では拒食になることがほとんどです。そのため体重減少も起こりやすいのですが、冬季うつ病は違います。過食が起こるようになります(とくに甘いものを無性に食べたくなります)。

「わけもなく気分が落ち込む」

「何に対してもやる気が出ない」

といったうつ病の症状にプラスして、過眠や過食があるようなら、冬季うつ病になっている可能性が非常に高いと言えます。

ちなみに、よく誤解されることですが冬季うつとセットで起こりやすいのは過眠傾向であって、過眠症ではありません。過眠症は単に睡眠時間が長くなるだけではなく、それ以外にも特徴があります(日中に突発的な眠気に襲われるなど)。

つまり、「過眠」と「過眠症」は別物ということです。

過眠症には3種類ありますが、参考にしてみてください。

セロトニン不足が冬季うつ病の原因

冬季うつ病は、日照時間の少ない北欧(ノルウェーやフィンランド)でよく見られます。また日本の場合、北海道や東北地方で発生しやすいという調査結果があります。

このことから、冬季うつ病の原因は「太陽の光を浴びる時間が少ないこと」と考えられています。

では、なぜ日光を浴びないと冬季うつ病になってしまうのでしょうか。それは、人間の脳内にある「セロトニン」という物質が減ってしまうからです。

セロトニンとは…… 人間の精神を安定させる物質で、不足するとうつ病につながる。実際、うつ病患者の脳内セロトニン濃度は、健康な人よりも低下していることが各種実験で確認されている。

ここで重要なのは、 「人間の体内でセロトニンを生成するためには、太陽の光が欠かせない」 ということです。

日光を浴びる時間が少なければ、セロトニンの生成量は減ります。それが深刻なレベルになって表面化したのが「冬季うつ病」なのです。

うつ病のすべてが、セロトニン不足によって引き起こされるわけではありません。しかし冬季うつ病に関しては、日照不足のせいでセロトニンが不足することが引き金になっています。

冬季うつ病の対策は「セロトニンを増やす生活習慣」

セロトニン不足が冬季うつの原因なら、午前中に日光をしっかり浴びることが最大の対策になります。しかし、冬は日照時間が短く天候も悪くなりがちです。満足に太陽の光を浴びれない日も少なくありません。

では、どうすればいいのでしょうか。実は、太陽の光を浴びること以外にもセロトニンを増やす方法はあります。たとえば、次のような方法です。

定期的に運動をする(リズム運動)

トリプトファン(セロトニンの原料)を食事から摂る

高照度光療法をする

1つでも生活に取り入れるとセロトニン不足が解消されて、塞ぎ込みがちな冬が過ごしやすくなるはずです。

とくに、個人的には運動の効果はあなどれないと感じています。冬場に外で運動するのは雪が降ったりして難しい場合もあると思いますが、家の中でできる運動(ステッパーなど)は続けやすいです。ぜひトライしてみてください。

ただし、すでに本格的な冬季うつ病になっている場合、運動しようと思ってもその気力すら沸いてこない可能性があります。本当は、冬季うつ病にかかる前に、定期的に運動(もしくはその他の対策)をしておきたいところです。

 

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